足の専門外来

足という部位には100種類以上の疾患が存在します。

整形外科専門医はおおよそ全ての整形外科疾患の診療にあたっていますが、その中でも特に私が専門としているのが「足」という部位です。日頃私たちは、足に何らかのトラブルを伴わない限り「足」をじっくりと見つめ、その機能について考えることはあまり無いと思います。

サラリーマンの足元
OLが歩く様子

足は「大地との接点」であり、日常生活において足を使わない日はほとんど無いといっても過言ではありません。足とは人体を構成する器官の中でも大変重要な部位の1つです。その足は大小様々な計28個の骨から構成されおり、複雑なバランスの上に成り立っています(足の構造と機能についてはこちらをご覧下さい)。

足は強靱で機能的な構造をしていますが、いろいろな要因が加わると時として様々な障害を生じます。外傷がきっかけとなり生じた障害をはじめとし、近年外来診療で頻繁に遭遇するようになった「外反母趾(がいはんぼし)」、生まれたての幼児に生じることがある「内反足」や「内転足」などの先天性疾患、また中高年には「痛風」や「糖尿病」などの全身性疾患によっても足に障害が現れます。足という部位には、実に100種類以上の疾患が存在します。

外反母趾(がいはんぼし)でお困りの方へ

外反母趾とは、足の親指が小指側に変形し、「くの字」になる状態をいいます。主な原因は、合わない靴です。特に、ハイヒールによって外反母趾を生じる女性が急増しています。その他、関節リウマチの合併症としても外反母趾を生じる場合があります。進行すると、普通の靴でも違和感を生じ、歩くだけで痛みがでるようになります。詳細はこちらへ

【外反母趾の保存療法】

インソールの画像

保存療法として最も有効なのが足底板(インソール)を用いた治療法です。インソールを靴の中に挿入することにより、足裏からつぶれたアーチを持ち上げて足の変形を矯正してあげるものです。(足底板、装具外来の紹介はこちらへ

【外反母趾の手術療法】

外反母趾の術前の画像

術前

外反母趾の術後の画像

術後

今日われわれが行っている主な手術法としてMcBride法に代表される軟部組織矯正術、Mann法やMitchell法に代表される中足骨骨切り術、Keller法などの基節骨骨切り術、関節破壊を認める症例には関節固定術や関節形成術などがあります。

近年では、骨切りを行いながらも局所麻酔で行える日帰り手術(DLMO手術)が、軽度から中等度の外反母趾の手術法として用いられるようになりました。

しかし、すべての症例に用いることのできる単一の手術法はなく、個々の症例に応じて手術法を選択しております。

巻き爪(まきづめ)・陥入爪でお困りの方へ

当院では、形状記憶合金のワイヤーを用いて、爪の変形を矯正する治療を行っています。変形した爪の形に合わせ、曲げたワイヤーを挿入します。ワイヤーが元の形状に戻るとともに、爪の歪みも正常な状態へと矯正されます。治療期間は1~2ヶ月。保険が効きませんので自費診療となります。爪にかかる力は微弱なので、矯正にともなって生じる痛みはほとんどありません。詳細はこちらへ

ワイヤーで変形した爪を矯正している画像

足にやさしい靴選びの参考に

「整形爛漫(SEIKEI-RANMAN)」の記事画像

足にやさしい靴の選び方
□ 足にあわない靴は足の障害の元になる
□ 靴は夕方、実際にはいて選ぶ
□ T.P.O、にあわせて靴を選ぶ
□ 高齢者には転倒しにくい靴をすすめる

足の専門外来をご希望の方

足に焦点をあてた「足の外科」という専門分野があり、専門的知識を有した医師がおります。「足の外科」では、靴の選び方などの初歩的なフットケアから足底板療法、さらに難度の高い外科手術まで、より高度な治療を行っていきます。足のトラブルでお困りの方は、足の外科を専門の一つにしている病院を受診することをお勧め致します。

吉野整形外科では院長吉野が「足の専門外来」を担当しております。院長が不在の時も御座いますので、外来担当医表をご確認の上ご受診下さい。その他、足の専門医の情報は、日本足の外科学会のホームページ(専門の医師をお調べします)に一部掲載されていますのでご参考にして下さい。

診断と治療をより適切に行うために

足の専門外来では、まず足の痛みや違和感の原因を調べます。靴などの物理的刺激で生じる足固有の疾患の他、全身疾患の一部として生じる場合もありますので、それも含めて診断します。また、「足の状態」は、普段履いている「靴の形状」と強い関連性を持っている場合が少なくありません。ですから、普段から履いている靴を持参して頂けると、より適切な診断ができる場合があります。

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